小さい黒田とカラオケで絢香を十八番にしてる女
今、最寄駅のホームで小さい黒田を見た。
黒田というのはコブクロの大きい方の人の事だ。つまりコブクロの大きい方である黒田に似た小さい人を見た、ということである。
小さい黒田は、サングラスにデニムシャツ、
黒っぽいパンツという出で立ちでホームに立っていた。
少し面長な感じも、インパクト強めのサングラスも、パンツのポケットに軽く手を入れスマホを若干前屈みでいじる姿勢も歌う時の黒田っぽい。
手前にスタンドマイクの幻が見える気がする。
何が一番黒田っぽいって、
肩にかけたトートバッグに
KOBUKURO
って書いてある。
小さい黒田が
KOBUKURO
って書いてあるトートバッグを肩にかけているこの情景。
…咲くLOVE(ラァヴ)。
いや黙れ。
だけどなんて愛おしい。
さて、この時同じホームには、
カラオケで絢香を十八番にしている女がいる。
私だ。
私はいつのまにか発声練習をし始めた小さい黒田の横に立ち、バッグに忍ばせていた自分のスタンドマイクを置いた。
少し驚きつつも微笑む小さい黒田。
私も「OK、いくよ」と目線を送る。
そしてワン、トゥー…と呼吸を合わせ
「んま(がりくねったぁ〜)」
と歌おうとしたが、
お互いに一音発しただけで分かる。
圧倒的小渕不足。
カラオケで絢香を十八番にしている女と小さい黒田だけでは、
…小渕を探さないと。
小さい黒田と私は頷きあう。
そこに言葉など不要だった。
私たちはホームに来た東海道線に乗り、
曲がりくねった道の先にいるであろう
小渕を探す旅に出た___
…皆さんお気づきでしょうが妄想です。
バッグに忍ばせていたスタンドマイクってなんだよ。
いや本当に小さい黒田はいたんだけど。
大きい小渕がいたら完璧だったなー!